小学校受験の図形問題は、一般的にペーパー問題として出題されます。これらの問題は、私立小学校受験や国立小学校受験で見られます。図形問題は、子どもたちの観察力や論理思考力を試すためのものであり、さまざまな種類があります。
図形問題は得意不得意が、特に分かれやすいジャンルです。多角的に物事を見る力、頭の中で図形を動かす力、図形を展開する力などが必要です。
目で見たものだけではなく、そこから想像できる「目では見えない部分」に注目することが大切です。
具体物を頭の中ではっきりと想像することができると解きやすくなります。小学校受験の図形問題は、小学校入学以降も役立っていきます。3年生以降の算数にも出てきますので、今からできることを始めてみてくださいね。
私の子どもは最初、図形問題が苦手でした。私自身、図形問題に苦手意識がありどのように教えればいいか分かっていなかったのです。
まずは、図形問題の出題意図をくみとることで、とても対策しやすくなりました。小学校受験はやみくもに難しい問題を解くわけではありません。そこに出題者(学校)の意図があると思っています。
この問題を通して、学校側はなにを見ているのか考えると他のことにも活かすことができます。
また、問題が解けるようになるとどんなことメリットがあるのかも考えました。
保護者の方がしっかりとした軸を持つことで、子どもにも教えやすくなりますよ。特に、時間やお金に余裕がないシングルマザーや共働き家庭の方にオススメです。
私も一人のシングルマザーです。少しでもお役に立てると嬉しいので、こちらの記事を読んでみてくださいね。
以下に、小学校受験でよく見られる図形問題の例をいくつか挙げます。
- 図形の完成: 与えられた図形のパターンや形状を完成させる問題です。例えば、与えられた図形の欠けた部分を描き足す問題や、与えられたパターンに基づいて次の図形を描く問題があります。
- 図形の分割: 与えられた図形を一定の条件に従って分割する問題です。例えば、与えられた図形を3つの部分に分ける問題や、与えられた図形を対称に分割する問題があります。
- 図形の属性: 図形の属性や関係に関する問題です。例えば、与えられた図形の辺の本数や角の数を数える問題や、与えられた図形同士の関係を考える問題があります。
- 図形の変形: 与えられた図形を回転させたり、反転させたりする問題です。例えば、与えられた図形を時計回りに90度回転させる問題や、与えられた図形を鏡像にする問題があります。
これらの問題は、子どもたちの観察力や論理思考力を養うだけでなく、図形を正確に描く能力や数学的な概念を理解する能力も試されます。子どもたちはこれらの問題に取り組むことで、図形に関する基本的な知識やスキルを身につけることができます。
国立小学校受験の図形問題
図形問題は学校によって出題方法はさまざまです。志望校の過去問をチェックして、出題傾向を確認されてくださいね。しかし、毎年同じジャンルが出題されるとは限りません。
図形問題は小学校以降の勉強にも役立ちます。また、生きていく上で大切な「物の見方」を養っていくことができます。幼児期に身につけたい生きる力であり、大人になってからも役立つ内容ですので、できるところから取り組まれてくださいね。
模写
お手本の通りに図形を書く問題です。図形をそのまま模写するものや、点同士をつなぐ点図形があります。模写を練習するメリットは、見たものをそのまま書く能力が上がることです。文字を書く練習や、漢字を覚えるときに特に役立ちます。
発展問題として、図形を回転させる問題もあります。90度や180度に回転させた図形を書くので難易度が一気に上がります。書きはじめの位置と書き終わりの位置を確認するだけでも解きやすくなりますよ。
実際に、わが子は模写の練習をするようになってから、字の形がきれいになっていきました、見たものをそのまま書くことは、大人でも難しいです。練習すればするほど上達しますので、どんどん書いてみてくださいね。
置き換え
みかんを△、りんごを◯、ぶどうを⬜︎などに置き換えて書いていく問題です。よくある出題方法としては、左側の方眼にりんごやみかんなどがランダムに描かれています。右側には何も書かれていない方眼があります。指示にしたがって右側の方眼に「みかんを△、りんごを◯、ぶどうを⬜︎」に書き換えていきます。
絵が方眼のどの位置にあるかを確認して、となりの方眼のどの位置に対応しているかを瞬時に判断する必要があります。絵と記号を頭の中で一致させて、間違えなく書き進めていきます。1つ書く場所がずれてしまうと全て誤答になってしまうので注意が必要です。
置き換え問題では、情報処理能力を見られています。一見単純作業に見えますが、頭の中ではさまざまなことに注意する必要があります。回転図形のように頭をひねって考える必要はありませんが、ケアレスミスが起きやすい問題です。
ていねいに書きすぎると制限時間に間に合わないので、すばやく処理することが求められます。わが子の場合、置き換え問題の対策をすることで、お片付けのスピードが上がりました(笑)関係ないように思いますが、本は本棚、折り紙は引き出し、ぬいぐるみはカゴの中、のように片付けではジャンル分けをしていきます。散らかった部屋の物を手に取り、定められた場所へ戻していく作業は置き換え問題に似ているようです。
情報処理能力は大人になってからも役立ちますので、対策してみてくださいね。
同図形発見
見本の図と同じ図形を探す問題です。3歳ごろから解ける簡単な問題から、大人でも苦戦してしまうような問題まであります。図形を回転する問題、図形を重ねている問題、影絵になっている問題など、出題方法はさまざまです。まるや三角のような記号の問題もあれば、動物の絵などの場合もあります。
同図形発見は、見る力を養うことができます。見る力は他のことでも役立ちますので、ぜひ解いてみてくださいね。
間違い探し
間違い探しは異図形発見とも呼ばれます。今回は、聞き慣れている「間違い探し」という言葉でお伝えしました。同図形発見と間違い探し(異図形発見)は出題意図や対策方法はほぼ同じです。
いろいろな出題方法に慣れておくといいでしょう。
図形構成
基本的な出題方法は、「見本の図形は、何枚の三角でできますか?」という方法です。三角のみのもんdないもあれば、長方形・正方形・二等辺三角形などさまざまな図形を使っている場合もあります。小学校受験では図形の名称を覚える必要はありませんが、それぞれの特徴は知っておいた方が解きやすいでしょう。
図形分割
図形構成の逆方面から考える問題です。同図形発見・間違い探し(異図形発見)のように違う角度から出題されることがあります。これは多面的に考える力を身につけられるからです。一つの方法ではなく、水平志向的に考えられる力が身についていると、困難に直面したときなどに役立ちます。
少し話は飛躍しましたが、小学校受験での問題は基本的に「幼児期に身につけたい生きる力」をみられている言っても過言ではありません。今後の生活でも役に立っていきますよ。
パズル
その名の通り、パズルの問題です。実際に手を動かして作業をするパズル問題ではなく、ペーパー問題として解きます。パズルの絵が描かれていて、余分なパズルを探す問題があります。
そのほかには、欠如補完と呼ばれる出題方法です。パズルの一片がない絵があり、その絵に合うパズルを選択する問題です。パズルの問題は、絵にない部分を頭の中で想像しながら補う必要があります。まずは同図形発見に慣れてからパズル問題に挑戦していきましょう。
線対称
鏡問題と言われることもあります。真ん中の線で折ったときにどのような図形になるか解く問題です。鏡の問題も同様に解いていきます。
見たままの図形をそのまま書くよりも難易度が上がるため、脳の発達を待つことも重要です。焦って難易度の高い問題に挑戦してしまうとやる気を失うことになってしまいます。
点図形と線対称の問題を組み合わせていることが多いです。まずは線2本ほどの点図形から始めて、徐々に難易度を上げてみてください。点図形だけでなく、記号や動物の絵などが出題される場合もあります。
折り紙(穴あき問題)
線対称の問題と似ています。半分に折った折り紙を切り、開くとどのような形になるか解く問題です。線対称と異なるところは、折り紙を3つ折り、4つ折りをする場合があることです。
また、折り紙をちょうど半分折るのではなく、真ん中からずらして折る場合もあります。折り目を考える問題も出題されます。
折り紙問題はハサミの練習とあわせて対策くることができます。気になる方はこちらもご覧くださいね。
重ね図形
図形と図形を重ねたらどのように見えるか解く問題です。一般的に試験問題のペーパーは白黒で印刷されます。どの位置にどの図形がくるか目で追いながら確認していく必要があります。
また、重ねられた図形のうちどれが一番下にあるか解く問題もあります。具体物を見るとすぐに解ける内容ですが、ペーパーになることで難易度が上がります。
回転図形
今までの問題に回転が加わります。点図形や同図形発見と組み合わさることが多いです。初見は大人でも悩んでしまうこともありますが、慣れてくるとコツをつかみます。
角を2つ決めて見ることで、頭の中で整理しやすくなりますよ。よく出題される学校とあまり出題されない学校があり、傾向が分かれています。志望校にあった対策をされてくださいね。
積み木
数量の問題では、積み木の数を数えます。図形の問題では、真上や真横から見た積み木の形を推理します。真上からは四角に見えても、右側からは階段のように見えるということを頭で理解する必要があります。
数量の問題と同様、こちらの問題も正四面体の積み木が描かれることが多いです。
展開図
サイコロの展開図を見て、真裏にくる位置を解く問題が多いです。サイコロ問題は回転図として出題されることもあり、サイコロを転がしたとき、最終的にどこが真上にくるかなどを解きます。
展開した状態方組み立てた状態を推理する必要があり、難易度は高いです。サイコロ問題はある程度暗記で解ける問題ですが、暗記のみだと応用が効きません。
具体物を使いながら、実際に手に取って考えてみてくださいね。
四方からの見え方
積み木や物が四方からはどのように見えているか解く問題です。小学校受験の中でも特に重要視されている問題でもあります。自分が見えているものと、相手が見ているものは違って見えているということを知ることができます。
同じものを見ているから相手も同じように見えている・感じていると思ってしまいますが、実際はそうではありません。そのことを問題を通して知ることができます。自分と相手は違った見え方をしているということを知ることは、これから生きていく上でも大切な力になります。
映像の記憶
指定された絵や図形を数十秒みて覚えます。数十秒後、選択肢の中から正解の絵や図形を選びます。こちらの問題は特に集中力が大切です。
覚える段階では選択肢をみることはできません。線が一本だけ違う誤答選択肢もあるので、難易度はさまざまです。集中力・見る力・暗記力を養うことができます。
位置確認
前から◯番目、右から◯番目など、位置を確認する問題です。左右の確認をすることはもちろん、相手側は反対であることも理解する必要があります。
地図上を指示通りに進んでいく問題もあります。対象物が地図上で動いていくので、その都度左右を確認していく必要があります。
運筆
図形問題では特に運筆力が必要です。点図形ではななめの線を描くことが多いですが、ななめの線は幼児にとって描くことが難しいとされています。模写問題では立体図形を書くこともあります。置き換え問題ではたくさんの記号を一気に書く必要があります。
どれも運筆力がないとうまく書くことができません。見本通りに書くことはおろか、制限時間に間に合わせることも難しいでしょう。そのため、図形問題の対策もしながら、運筆力も高めていく必要があります。運筆力が高まると、箸の使い方も上手くなっていきますよ。
手先の力が大切ですので、気になる方はこちらの記事も読んでみてくださいね。