義務教育である小学校を受験する家庭はまだ少数派ですが、最近では小学校受験が増加傾向にあります。子どもの進学先は親子ともに大きな影響を与えるので、慎重に考えなければならないです。
私自身、シングルマザーとして子どもを育て、小学校受験にも挑戦しました。受けた学校は無事に全て合格して、今は元気に通っています。実際に通ってみてわかったことや、仕事をしながら受験をすることの大変さなどについてもお話しします。
国立小学校受験のメリットとデメリットについて、共働きやシングルマザーの視点からお話ししていますので、子どもの将来を考えている保護者の方はぜひご覧くださいね。
メリット
費用の負担が軽減される
国立小学校は公立であり、授業料がかかりません。そのため、経済的な負担を減らすことができます。共働きやシングルマザーの場合、家計の節約につながります。
地域社会とのつながり
国立小学校は地域に根ざした学校であり、地域社会とのつながりが強いことがあります。共働きやシングルマザーの場合、地域のサポートや子育ての情報交換が得られる場合があります。
教育の質が高い
国立小学校も教育の質が高い学校が多くあります。そのため、子どもたちが良い教育を受けることができます。
研究校としての役割もあるので、先進的な授業を受けられます。先生方も教育熱心なので授業が面白く工夫されている場合が多いです。
また、関係者の方への研究発表もあり、子どもたちはプレゼンテーションをする機会があります。子どもたちはたくさんの人の前でプレゼンテーションをするので、さまざまな力をつけることができます。
これらは大人になってからも活きてくるでしょう。
人間関係
小学校受験に合格した子どもたちは、基礎的な学習能力が身についています。授業中に席を立ったり、授業の妨げをすることはほとんどありません。自分のことは自分でできる力もあるので、行事もスムーズに運行されます。これらのことは、授業に集中して取り組みさらに学力を上げたり、行事を思いっきり楽しみ学びを得る機会が増えていきます。
また、私立と違うところはさまざまなご家庭がいらっしゃるということです。保護者の方の仕事や暮らしは違いますが、子どものためを思って受験したことは変わりありません。保護者同士のやりとりもマナー節度を守っている方がほとんどです。
保護者間のトラブルはゼロではありませんが、比較的少ないように思います。
才能を伸ばせる
高学年になると中学受験を意識する方もいるかと思いますが、国立小学校の一部では中学高校への連絡進学制度があります。デメリットの方で詳細を書きますが、全ての子どもが進学できるわけではありません。
それでも附属校へ進学する機会は、外部から受験するよりも多いです。
そのため中学受験のために低学年から塾に通う方は少ない傾向にあります。それよりも授業内容をしっかりと復習して、基礎学力を高めることが大切だと、先生もおっしゃっていました。
その分の余力がありますので、子どもが好きなことを思いっきり取り組むことができます。好きなことに集中する時間は、幼児期学童きにおいてとても大切です。
子どもの個性を尊重している学校も多いので(多様性)子どもの「好き」を伸ばしやすい環境にあります。
デメリット
人気のある学区への入学競争
一部の国立小学校は入学希望者が多く、学区内での入学競争が激しい場合があります。家庭の事情などは一切考慮されず、試験の前後には抽選があります。学力だけでは試験を突破できないです。
抽選や国立小学校の受験についてはこちらの記事をご覧ください。私立小学校との違いも書いています。
施設や設備の不足
一部の国立小学校は施設や設備が充実していない場合があります。そのため、教育環境の面で不満を感じることがあるかもしれません。校舎は古いことが多く、和式トイレを使っている学校もあります。冷暖房も全ての教室に完備されているわけではありません。
いわゆる寄付金がある
国立小学校は公立小学校と同じで国や地方自治体の予算から出ています。しかしその予算は限られていて、全てを賄うことは難しいです。そのため、後援費としてお支払いします。このお金は学校運営などに使われていますが、入学時に数十万円程支払うことになります。後援費はあくまでも任意ですが、ほぼ全ての家庭が支払っています。なぜなら、この集まったお金で子どもたちが質の高い教育を受けられているからです。
私立より学費は安いですが、公立よりも高くなるので気になる方はご自身のお住まいの学校を調べてみてくださいね。
幼児教室にお金がかかる
小学校受験をする際、ほとんどの方が小学校受験塾へ通われていると思います。しかし、塾に通わずに合格されている方もいますので、あきらめないでくださいね。対策を全くしないで合格することはかなり難しいので、まずはどのような問題が出題されているか確認してみましょう。
小学校受験塾は高額な場合が多いので、必要に応じて取り入れてください。小学校受験塾に通うメリットは、情報がたくさんあることです。今までのデータがあるので、出題傾向や対策の仕方を教えていただけます。
いつから受験対策を始める?
小学校受験塾に通う時期は家庭によってさまざまですが、一般的には年少の秋冬ごろから入塾しています。遅くても新年長と言われる年中秋冬ごろから始めているでしょう。
塾に通わずにチャレンジをされるなら、もっと早くから受験内容を意識する方がいいです。小学校受験では生活の中での学びが出題されますが、意識して行わないとやらないものも多いです。
そのため、受験内容を意識した活動を日々の生活の中で取り入れる必要があります。これらは一朝一夕では身に付かず、毎日の積み重ねが大切です。
季節行事は一年に一回しかないので、赤ちゃんのことから毎年触れることを意識してみましょう。
ペーパー問題などは年少の秋冬からでいいですが、日々の積み重ねはなるべく早いほうがいいです。
小学校受験対策にもなるお手伝いの記事も書きましたので、気になる方はぜひご覧ください。お金をかけずに今からできることをポイント別にまとめました。
小学校受験の最大のメリット
小学校受験の最大のメリットは、幼児期に身につけたい生きる力を養えることです。
文部科学省学習指導要領の一部抜粋です。他にも健康や人間関係など項目べつに書かれています。
学習指導要領「生きる力」
(1) 自然に触れて生活し,その大きさ,美しさ,不思議さなどに気付く。
(2) 生活の中で,様々な物に触れ,その性質や仕組みに興味や関心をもつ。
(3) 季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く。
(4) 自然などの身近な事象に関心をもち,取り入れて遊ぶ。
(5) 身近な動植物に親しみをもって接し,生命の尊さに気付き,いたわったり,大切にしたりする。
(6) 身近な物を大切にする。
(7) 身近な物や遊具に興味をもってかかわり,考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。
(8) 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。
(9) 日常生活の中で簡単な標識や文字などに関心をもつ。
(10) 生活に関係の深い情報や施設などに興味や関心をもつ。
(11) 幼稚園内外の行事において国旗に親しむ。
文部科学省
これらの力は自然と身につくものもありますが、周りの環境でさらに伸びていくものです。環境というのは物的なものと人的なものがあり、サポートするのは保育者や保護者の方です。子どもたちがこれからの時代を生き抜いていくために、幼児期に身につけたい生きる力を養う必要があります。小学校受験の内容はそれに通うずるものがあります。
受験をするかどうかまだ検討中の方も、小学校受験の内容を意識してみると学び多い日々になりますよ。
小学校受験にもメリットデメリットがありますが、合否に関係なく子どもにとっても保護者の方にとっても成長する機会になります。これこそが一番のメリットと言えるでしょう。
以上が、共働きやシングルマザーの視点から見た国立小学校受験のメリットとデメリットです。家庭の状況や子どもの個性に合った選択をされてくださいね。